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トークセッション<野上眞宏×細野晴臣「SNAPSHOT DIARY」の時代>レポート

2014.11.26

当アプリの発売を記念したトークセッション<野上眞宏×細野晴臣「SNAPSHOT DIARY」の時代>が、11月23日(日)に開催されました。司会はサウンド&レコーディング・マガジン編集人の國崎晋さん。会場となったApple Store, Ginza 3階シアタースペースは立ち見のお客様も出る盛況となりました。

立教大学の同級生であるお二人の学生時代の話からスタートしたトークは、はっぴいえんどのレコーディングやYMOニューヨーク公演ほかの写真を実際に当アプリで見ながら、野上さんがアプリの機能や特長、構成を解説し、撮影当時の思い出などを細野さんと語り合うという内容。写真に付けられたオーディオ・コメンタリーの再生中、思わず話を忘れて一同聴き入ってしまう場面もあったほど、会場中が当アプリの楽しさに引き込まれていきます。

野上さんが操作するiPadの画面はそのまま会場のスクリーンに投影され、細野さんは自分の顔がクローズアップされるたびに「大きくしなくていいから(笑)」と照れ臭そう。キーワードによる索引機能の紹介で”東京風景”の写真が映し出されると、細野さんは「これが僕は一番好き。自分の写真は見たくないけど(笑)。この写真の時代の東京の風景は幻。特に最近は、東京の昔はどうだったんだろうという興味がある」と、懐かし気にスクリーンを見つめていました。

「本当は、実物の写真を展覧会で見て欲しい」という野上さんは、iPadアプリで作品集を制作した理由を「紙媒体の写真集では印刷の再現性や写真の見せ方・サイズに限界がある」とした上で、ページをめくるように閲覧でき、写真の細部も自在に拡大できるアプリならではの操作性のメリットを強調。「写真集をiPadで見るのはとってもいい。新しい技術によって可能になった、今までになかった体験」と説明しました。また、写真家だけでなく一般の人も眠ったままの写真をデジタル・アーカイヴしておくことが後世のためにも重要と説き、「写真家の方はどんどんiPadで写真集を作ってください」と、後続の写真集アプリの登場に期待を寄せました。

人物はもちろん張り紙のひとつに至るまで、フレームに収まっているあらゆるものへの興味を誘う野上さんの写真について、細野さんは「僕は写真を撮られていたという意識がない。気配がなかった。写真家というのは目的にフォーカスして撮るものだけど、彼はそうじゃない。一歩下がって撮るタイプ。だからいろんな切り口が見えるし、今見ると貴重なんだと思う」と指摘。野上さんも「僕は一歩下がって全体を押さえておこうとする。10年後に見たら面白いんじゃないかとか、未来から今を見る感じで撮っている」と応えます。そうした眼差しこそが、時代の記録として価値を放つ野上さんのスナップショットの極意と言えるのかもしれません。

最後にお客様との質疑応答の時間を設けて、約1時間のトークセッションは終了。当アプリの魅力と野上さんのお人柄を充分に感じていただけるイベントになったのではないでしょうか。

たくさんのご来場、ありがとうございました!

 (c) Kensuke Tomuro
(c) Kensuke Tomuro

 (c) Kensuke Tomuro
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